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2011年9月27日 (火)

なんで子どもを殺すの?

ショッキングなタイトルで失礼。
猪熊弘子さんという翻訳家兼ジャーナリストの方の著書のタイトルである。

「なんで子どもを殺すの?名越康文の処方箋」

精華大学で行われた、精神科医の名越康文さんのオープン講義を聴講しに行って以来、
著書を読み進めていたところ、この本も検索でヒットして、図書館で予約していて、
今月の図書バスで届いた。

いじめの構造」もそうだけど、いつの頃からか「なんで?」とホントに純粋に思っていたこと。

一線を越えさせるモノは何なのか。
死に至ったケースと私たちの日常はどこが違うのか。

最近、特に子どもの虐待死がニュースになることが多い。
報道番組をあまり見ないようにしていても、ネットのニュースヘッドラインで目につくから、知ってしまう。
先日どこで聞いたんだったか、虐待で死ぬ子どもの数は1年に約50人だとか。
週に1回はこの国のどこかで、幼い子どもが親や保護者の手にかかって死ぬ。
4年前に一児の母親になってからは、ますます虐待死のニュースは重く響く。
でも、同時に私は弱者の視点に立ってみようとする性質があるというか、
子どもの立場で虐待のシーンと子どもの気持ちを想像してしまって相当苦しくなる。
なんてひどい世の中だろうかと気持ちが暗くなる。

この本の著者もジャーナリストという肩書きを書いてあるが、
ご自身が4人のお子さんの母親としての目線で、きれいごとじゃないリアルな声が語られていることに共感した。
特に2歳の双子の男の子の様子を描写した第3章の生々しい子育ての現実に
「うわー、双子はきつそう~」と同情の気持ちが自然とわき上がった。
女ばかりの家庭で育って私自身、息子が「魔の2歳児」期に、暴れん坊ぶりを発揮し出したときには
正直、きついなぁーと感じていたもの。

そういう親の視点を保ちつつ、感情的にならずに本のテーマに肉薄していく、というのは
本当は難しいのではないだろうかと想像する。
それを成し遂げて、この本はドキュメンタリーとしては、不思議な印象を与える。
問題に対する当事者意識が強く表れていて、私としてはそこに乗っかって(同調して)読み進めやすかった。
というか、すごい引き込まれた。

序章は、2007年に起きた連続児童殺害事件の裁判の傍聴席から畠山鈴香被告を記述するところから始まる。
「著者は一体なぜなんだろう」という疑問と同時にスズカの姿の中に自分の育児への疲れを見い出す。それに続く、名越氏の分析が明晰だ。

---
私たちが知っている鈴香被告は、畠山鈴香本人ではなく、新聞やテレビや雑誌などのメディアを通してのもの。報道を通して作られた、バーチャルな『スズカ』という記号にすぎないんです。そして母親たちはみな、その記号としての『スズカ』に自分を投影しているわけです。
---

そうなのだ、私たちが知っている、とか思ってしまうけど、本当は断片的な作られた記号なのか。
その記号について語ることで、自分の生活について言いにくいことも話題に出来たり、
考え直すきっかけにしたりしている、ということだ。なるほど。

他にもネグレクト=育児放棄など、スズカのように直接的に殺害するわけではないケースや、連れ子をしつけと称して死に至らしめてしまうケースが紹介されていくが、今年だけでも、一体何件そのようなニュースを見たことだろう?2007年出版された当時から虐待は減ったとは言えそうにない。

この本の4章と5章では、名越氏が担当した、とある母親のカウンセリングの様子が詳細に語られる。
子どもを虐待しているというレベルの人ではなく、子どもとの関係に悩んでいて、
自分の中の「スズカ」に怯えている、という。
この部分が強烈に「面白い」、と言ったら語弊はあるんだけど、
こんな風にカウンセリングのやりとりを横で聞いているかのように知ることが出来るなんてスゴイ。
それに何と言っても名越氏の会話の進め方、核心へ迫る展開が、もうドキドキの連続。
「あぁ、そういうことなのか。えぇ、話がそんな所へ!?展開が早い~!」と一気に読んだ。

私は、夫婦問題で悩んで行き詰まった時に合計4回3人の心理士の方のカウンセリングを受けた経験があるが、正直言って、うちお二人はほとんど私の話に相づちを打つだけで規定の時間を終了したぐらいの印象だった。帰り道、「聞いてもらって楽にはなったけど、何も解決の糸口につながらない」と思った。
3人目の先生には非常に的確なアドバイスもいただいて、そこから大きく道が開けた経験を思い出す。
その時もプロってすごいな、と思ったけど、
さすが名越先生、カウンセリングのやりとりも、著者の質問への回答も簡潔、的を得ている。
現在の問題から徐々にクライアントである母親が子ども時代にあった話を引き出し、本人が記憶にふたをしていた事件や感情に迫る。

核心部分は今回もブログで語るのは、何故だろう、気が引ける。
やっぱり興味がある人が自分で読んでほしいからだろう。
そうだ、本を読むことは単なる知識の吸収じゃない。
体験なのだ。
ドキドキしたり、うわぁーってなったり、終わった後しばらくフーッとため息をついたり。
映画と一緒だと言うと分かりやすいかも。
映画レビューでネタバレしてたら、読みたくないし、読んじゃったら映画見る気がなくなるもんね。

ただもう1点だけ、引用したい。
---
名越が勧める、自分への客観性を高めるためにできる方法のひとつが、「書くこと」だ。
「育児日記を半年続けることが出来たら、きっと生活が変わります」
(中略)
名越が提案する「育児日記」は、違う。
「買い物先でこんなことがあった、夫とこんな話をしたというようなことを書くんです。(中略)
自分の周りで起きたこと、それについて感じたことなど、半年間、がんばって書き続けることです。
それができれば、相当な効果が上がるはずですよ。
(中略)
自分と自分の属している世界に対する認識力、つまり自分がどういう人間なのかを見極める力が高まると思います。
---

最後の方に書かれていたこの部分を読んで、私は、ブログを書き続けていたことを
良かったんだなぁ、癒し効果だけじゃないんだよなぁ、うんうん、と深ーく頷いていたのだった。

Twitterが人気なのもやっぱり書くことの効果があるからかな。

この重いテーマ書いて吐き出したから今日は寝付けるかなぁ。

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コメント

重いテーマではありますが、一方、この手の事件も、近年では起き過ぎてしまって
ある意味、ニュースで聞きなれてしまった感じがします。
本来ショッキングな事件なのに、それに対して世間は鈍感になってしまっているのも事実では。事件自体、あってはならないし、忘れてはいけない事なのに。

育児ノイローゼになりかけた知人は、子どもを殺すのは絶対あってはならないけれど
でも、その親の気持ちが理解できないわけではないと、言っていました。

もっと冷静に自分を見つめ直す時間や、単純にバランスのとれた食事をしっかり摂る事、
他人を思いやる気持ちを忘れない、など。 自分をコントロールする力をつけなければ
いけないなと思います。 とても考えさせられるテーマですね。 でも、この「 考える 」 事すらしないヒトが多いのではないでしょうか。

macoさん、コメントありがとうございます。
ホントに、鈍感にならずに考えること、大事ですね。何事においても。

虐待死の年間50人という氷山の一角の下に、
死には至っていないケース、性的虐待などが存在することも現実です。
そして、虐待をしてしまう人の多くが子どもの時に自身が虐待を受けているそうです。
虐待の連鎖・・・。
これはその人一人の個人的な問題ではないんですよね。
家族、地域、社会、国家の絡む根の深い問題です。難しいですね。

以前、「毒になる親 ---一生苦しむ子ども」という本の感想をちょろっと書いたエントリーがあるので、よろしければ・・・。
http://uke12.wordpress.com/2008/08/

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